学科紹介

Introduction

自然科学の知を統合して新しい分野を開拓する人材を養成する。

統合自然科学科では、さまざまな学問領域を自由に越境・横断することにより、多様な自然科学の知を統合し、新たな領域を開拓できる人材の養成を目指します。また同時に、広い分野での活躍を裏づける高い専門性と、幅広く豊かな知性を兼ね備えた真の「自然科学教養人」を育成します。

本学科は、「数理自然科学」、「物質基礎科学」、「統合生命科学」、「認知行動科学」の4つのコースと「スポーツ科学コース」(2022年度まではサブコース)で構成される、柔軟で多様な選択が可能な教育システムです。そこでは、自然の数理的構造を探求する数理科学、原子から生体物質まで広く物質の真理を追求する物質科学、生体と生命現象の本質に迫る生命科学、人間・動物などの個体や集団が研究対象の認知行動科学、さらにはスポーツ科学まで、深さと奥行きと広がりをもつ多彩な科学の世界を,学生自身の選択に応じて,系統的に広く、あるいは専門的に深く,自由なスタイルで学ぶことができます。一方,教養学部の他学科との強く柔軟な連携を通じて,より広がりのある学問分野での発展的な学習も可能にしています。

学科長ご挨拶

Message from dean

学科長 福島 孝治

学科長 福島 孝治

探さないのに見つかるものと最後まで残るもの

統合自然科学科では、既存の学問体系にとらわれず、自然科学の新たな可能性を切り拓くことを使命としています。現代社会は日々変化し、私たちの知識や技術も進化を遂げています。その変化に対応するためには、新しいアプローチや広い視野が必要です。そこで、統合自然科学科では、個々の興味や志向に合わせた多彩な学びの機会を提供し、自然科学の魅力を存分に味わいながら、自分自身の興味や目標に向かって進んでいけます。自然界の数理構造に興味がある方、物質の真理を追究したい方、生命現象の本質に迫りたい方、認知や行動のメカニズムに興味がある方、スポーツ科学に興味を持つ方々など、さまざまな志向を持つ皆さんが集まっています。

さて、やや矛盾した言い方ですが、世の中には探してもいないのに見つかるものがあります。たとえば、友人や仲間です。そもそも探すものではないかもしれませんし、いつの間にか心を通わせ、深い絆を築くものです。学問にも似たところがあるように思います。多くの場合は自分の進むべき特定のテーマが決まっていることはなく、いつの間にか興味を持ちながら気がつくと探究していることがあります。卒業研究のテーマなどは、学科進学の段階では予測できないものですし、それこそが魅力の一つです。特に、既存の体系が変化する時代においては、柔軟な思考が求められ、固定概念で探しているとかえって見つからないかもしれません。その柔軟な思考は基本的な知識に立脚し、その思考と知識は教養と呼べるもので、どこまでも残るものです。

駒場の自由な雰囲気の中で、自然科学の新たな地平を切り拓くことを目指す学生たちと共に、素晴らしい未来を築いていきましょう!

統合自然科学科長 福島 孝治