学科紹介

Introduction

自然科学の知を統合して新しい分野を開拓する人材を養成する。

統合自然科学科では、さまざまな学問領域を自由に越境・横断することにより、多様な自然科学の知を統合し、新たな領域を開拓できる人材の養成を目指します。また同時に、広い分野での活躍を裏づける高い専門性と、幅広く豊かな知性を兼ね備えた真の「自然科学教養人」を育成します。

本学科は、「数理自然科学」、「物質基礎科学」、「統合生命科学」、「認知行動科学」の4つのコースと「スポーツ科学コース」(2022年度まではサブコース)で構成される、柔軟で多様な選択が可能な教育システムです。そこでは、自然の数理的構造を探求する数理科学、原子から生体物質まで広く物質の真理を追求する物質科学、生体と生命現象の本質に迫る生命科学、人間・動物などの個体や集団が研究対象の認知行動科学、さらにはスポーツ科学まで、深さと奥行きと広がりをもつ多彩な科学の世界を,学生自身の選択に応じて,系統的に広く、あるいは専門的に深く,自由なスタイルで学ぶことができます。一方,教養学部の他学科との強く柔軟な連携を通じて,より広がりのある学問分野での発展的な学習も可能にしています。

学科長ご挨拶

Message from dean

学科長 佐藤 健

学科長 佐藤 健

駒場で出逢う

原石を拾い、そして磨く

 興味を惹くものには、毎日どこかで出逢います。頻繁に出逢いますが、たいしたものには感じられません。でも、そんな「興味」を丁寧に扱った方が良いでしょう。ちゃんと拾い上げて念入りに磨いてやります。そうして触れていると大きく膨らむことがあるからです。見つけた瞬間には平凡な石ころだったりします。かといって、自分で石ころをつくるのは大変です。だから、周りを探して磨けそうな原石を見つけるのです。そうして探しているだけで、もう十分に楽しいことでしょう。原石が見つかっても、最初は見当が付かないから、とりあえず磨いてみます。そのうちコツが掴めてくるでしょう。あるものは輝いてきます。駄目なこともありますが、その場合でも磨き方は覚えられます。やがて、輝きそうな原石がどんなものかがわかってきます。色々なものがあるので、違う光り方をするものに出逢うかもしれません。だから、最初から自分はこの原石に懸ける、というスタンスは出逢いの機会を減らします。小さな原石は、すぐに磨くことができます。そして小さな幸せが得られます。大きな原石は磨くのも大変だし、外れたときのダメージも大きいのですが、当たれば人生が変わるようなものが得られるかもしれません。小さいもので着実に積み上げるか、大きいもので一発逆転を狙うかは、人それぞれでしょう。実のところ、どの原石も磨けば輝きます。大きさによらず磨きさえすれば輝くのです。それは、探せば必ず見つけられます。どこにでも落ちていますし、いつでも拾えます。制限はなく一人何個拾っても良いのです。
 「原石」と書いてきましたが、「研究」「学問」かもしれませんし、もしかしたら「自分」かもしれません。当学科で皆さんも原石を探し、磨いてみませんか。

統合自然科学科長 佐藤 健