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イノベーションの起こる場所

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生命を学ぶための
最高の環境が整えられている

統合生命科学コース出身
大学院総合文化研究科 博士1 年生
平野咲雪さん

学部を選んだ理由は?

生命について深く学びたい、と思う私に
「ど」ストライクの学科でした

進学を決めたきっかけは、学部1年次に生命科学の授業で配られた統合自然科学科パンフレットでした。
これを一読した時、「まさに私のやりたかったことはこれだ!」と、直感のようなものを感じたからです。
というのも、私の一番の興味は『生命』で、「生命について深く知りたい」という思いを強く持つと同時に、「生命を本当に理解するためには、生命科学を学ぶだけでは不十分では?」とも考えていたからです。
生命を理解するためには、数理・物質といった自然科学の他分野や、現代の生命観を形成するに至った歴史、さらには、その歴史に影響を与えた宗教・哲学的観点などを知ることも、同じように重要であると思います。
統合自然科学科は、生命科学を専門としながら、これらの幅広い学問を学ぶのに最適の学科であると確信し、進学を決めました。

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学部の良い点は?

生命科学、認知科学、心理学、科学史、自然哲学...
魅力的な講義ラインナップ

想像以上に学問領域が多岐にわたっているということです。
非常に幅広く授業が展開されていて、生命科学を中心としながら、自分の興味に応じてさまざまな授業を受けることができました。
「自分の専門分野以外」で特に楽しかった授業は、認知科学や心理学の授業です。これまで触れてこなかった分野について専門的な知識を得ることができ、自分自身の生命観や、世界に対する認識の仕方にまで影響を受けたように感じます。
また、他学科や他学部の授業も気軽に受講することができました。以前から興味のあった、科学史や自然哲学の授業を受講できたことは、「自分にとって、とても価値のあることだった」と思います。

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あなたの研究テーマは?

細胞の持つ力学的性質という視点から
動物の発生メカニズムの解明に挑む

専門分野は発生生物学。現在の研究テーマは「初期発生時の細胞極性形成に働く力学的シグナルの解析」。
動物の発生メカニズムの一端を明らかにするというもので、一般的に基礎研究と呼ばれる領域です。
なかでも原腸胚期~神経胚期にかけて神経板で形成される平面内細胞極性に着目しています。生体内で働くシグナルというと、生化学的シグナルを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は張力や圧力といった力学的刺激もシグナルとして働くことが知られています。
私はこの力学的シグナルに着目し、初期発生時の形態形成運動に伴って生じる力学的刺激が、細胞極性を制御すると考えています。これを明らかにするため、一般的な分子生物学的手法に加え、力学的刺激を加える装置や数値解析ソフトなどを用いて、研究を行っています。

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目指すキャリアは?

生涯をかけて「生命とは何か」を
問い続ける研究者になりたい

博士号を取得した後は、大学や研究機関の研究員となって『発生生物学』の研究を続けてゆきたいと考えています。
私の現在の研究は基礎研究と呼ばれる領域ですから、どのように人々の役に立つか、どのように社会の発展に貢献できるか、という答えは今すぐ見出せるものではないのですが、私たちの基礎研究が実を結び、発生現象、ひいては生命についての理解が進んだ先では、必ずや社会や人々のためになる成果につながっているものと信じています。
そして、私個人の目標としては、生涯をかけて「生命とは何か」という問いに対して、自分なりに納得のいく答えを出したいと思っています。

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平野咲雪さん

Message

自然科学の深淵に迫りたい人に最適。
既存の枠組みにとらわれない独創的な気風

統合自然科学科は、自身の専門分野を持ちながら自然科学の幅広い分野を学ぶのに最適の学科であると思います。
幅広い学問を身に着けることは即ち、既存の枠組みにとらわれずに複数の専門領域をまたぐ新たな知の体系を築く機会を得ること。またさらに、自身の専門分野に対して多角的に考える客観性も身につくと思います。
そのような力をつけてこそ、真に独創的で新しい考えを創出できるのではないかと思うのです。
既存の考え方に縛られず、自然科学の深淵に迫りたい方、お待ちしています!

Profile

1994年 広島生まれ
広島市立基町高校卒業後、東京大学理科二類へ入学
2015年 教養学部統合自然科学科へ進学し、道上達男研究室へ配属
2018年 International Journal of Developmental Biology 論文掲載
2019年 広域科学専攻奨励賞受賞、東京大学大学院博士課程へ進学
道上研究室在籍