セミナー授業について

Seminar

統合自然科学科では、学生一人当たりの教員数が多いという特徴を活かし、教授や准教授とマンツーマンの少人数セミナーが多く用意されています。※セミナー内容の例(担当教員は年度、学期による)

数理⾃然科学コース

数理科学を専門とする各教員とともに、専門書の輪読や演習書を用いた議論を通じて、最新の研究に通じる学問領域の理解を深めます。

数理科学セミナーIII

石毛 和弘

教授

Kazuhiro Ishige

爆発と凝集
非線形現象解析は一般に困難ですが、非線形拡散方程式に現れる爆発現象や凝集現象を題材として、定常解構造、解の相似性等を用いながら、それらの背景に現れる数学的メカニズムについて多角的に理解することを目的とします。2020年度は学生2人が参加するオンラインセミナーでしたが、毎週1人ずつ交代で発表をしてもらいました。学生が積極的に参加してくれたおかげで、非線形解析特有の考え方や捉え方を広く理解することができました。
受講⽣の声
数学科の儀我美一先生の、佐武一郎『リー群の話』の輪読ゼミに参加しました。教養学部にいながらにして数学のゼミ発表の進め方を練習できるのはお得感があります。読んだ本は雑誌『数学セミナー』にて連載された非数学者向けのエッセイをまとめたものですが、数学的にself-containedな書き方がされていないために、ゼミの発表準備はかえって大変でした。深く内容を理解した教員がいない友人たちとの自主ゼミではこういう本は読めないので貴重な経験でした。

数理科学セミナーI

池田 昌司

准教授

Atsushi ikeda

Non-equilibrium statistical mechanics
非平衡統計力学の入門的な本として、R. Zwanzigによる"Nonequilibrium statisitcal mechanics"を輪読します。毎年異なる題材を扱うようにしており、通常の講義で扱えないテーマについて深く勉強します。2020年度はランジュバン方程式や線形応答理論を扱いました。オンラインでしたが、皆さんきちんとしたノートを作ってセミナーに臨んでくれたので、理解度の高いセミナーになりました。
受講⽣の声
数理科学研究科の下村明洋先生と、内田伏一『集合と位相』を講読しました。そこで扱った内容は3Aセメスター以降で学ぶ内容の数学的基礎に相当しており、その後の勉強に大いに役立ちました。しかし、私にとって一番大きかったのは数学を専門とする先生のもとでじっくり数学書を読む経験です。理解の至らない点があれば直ちに指摘される環境で発表する中で得た、定義や表現の明瞭性に対する意識は、自分の研究を発表する機会を持つようになった今も活きています。

物質基礎科学コース

物質科学を専門とする各教員とともに、専門書の輪読や演習書を用いた議論を通じて、最新の研究に通じる学問領域の理解を深めます。

統合自然科学セミナー

深津 晋

教授

Susumu Fukatsu

物理の理解を深めるバーチャル体験ツアー
物理学の世界は非常に多くの専門分野にわかれていますが、全てに共通する基本的な原点があります。これまでに学んだ物理学の様々な分野の基本事項の復習や模擬作題を通じて、「アハ体験」を通して物理の理解を深めてもらいます。講義で扱わないがアハ感のある課題などを参加者にその場で考え 、意見交換するアクティブ形式にしました。私が解説した問題も多くありましたが、できなさそうな問題にスパッと答えてきた時は、感心しました。
受講⽣の声
松田恭幸先生のセミナーでは対称性をテーマに素粒子物理学実験の論文を読み、学生がレジュメを作成して説明しながら、1つの話題を1-2回かけて議論しました。セミナーは進行スケジュールの自由度が大きいので、議論しながら別の話題にも話が広がったり、興味が湧いた話題があれば学生側から希望を出したりできました。また、先生の研究者としてのご経験を伺う貴重な機会でもあり、研究生活に対してより明確なイメージを持てるようになりました。

物質科学セミナーIII

小島 達央

講師

Tatsuo Kojima

化学反応に関する概念を深掘りする
化学反応に関する概念の中には、論文中において本来の定義や論理からは誤っていたり、意味が自明でない使われ方をされているものがあります。このセミナーでは、学術誌の中からこのような問題を議論しているエッセーを取り上げて輪読し、化学反応に関する概念を深掘りします。学生2人とのZoomセミナーでしたが、毎週学生にエッセーの内容や気になった点について紹介してもらい、3人でインタラクティブに意見交換しました。

統合生命科学コース

生命科学を専門とする各教員とともに、生命科学の様々な分野の論⽂を読んで深く理解し、解説・議論できる⼒を養います。

統合生命科学セミナーⅠ

若本 祐一

准教授

Yuichi Wakamoto

教員と学生が一緒に論文を読み進め、専門的な生命科学の学術論文の内容を深く理解します。2週ごとに担当教員が替わり、扱う論文の内容も替わるため、生命科学分野の様々なトピックについて理解を深めることができます。私が担当した回では、合成生物学という分野創出の起点にも位置付けられるマイルストーン的論文の一つをとりあげ、突っ込んだ議論を行いました。また論文の問題点も抽出し、未解決課題や今後の展開を考えることも行いました。
受講⽣の声
テーマの選択は所属コースに束縛されておらず、分子軌道論(豊田太郎先生)、セルオートマトン(高塚和夫先生)、機械学習(福島孝治先生)など、生命科学の枠にとらわれず、しかし密に学ぶことができました。「面白いかもしれないものを見つけて考察する」ということの面白さを実感しました.直接の学習内容以外にも、半年ごとにそれぞれの対象にじっくり向き合った経験は、研究上必要が出た際に新たな分野を学ぶ時の基礎体力として、自分の大きな財産となった気がします。

統合生命科学セミナーII

大杉 美穂

教授

Miho Ohsugi

セミナーIで論文の読み方を学んだ後、セミナーIIでは教員が指定した論文について割り当て学生(1ー2名)が発表資料をつくり、講義室で教壇に立って説明と質疑応答をおこないます。私からの課題論文は、母体の加齢によって卵細胞の染色体の数が変化しやすくなる原因の一部を解明したものでした。教科書では学べない各モデル生物に特有の知識を身に着けてもらい、教員と学生間の活発な議論を通して、最先端研究を行うための準備を整えました。

認知行動科学コース

認知⾏動科学コースの各教員が専門とするテーマについて、基礎的な知識を解説し、最新の研究を紹介します

統合自然科学セミナー

四本 裕子

准教授

Yuko Yotsumoto

講義では広く知られている教科書的なことを中心にお話しますが、このセミナーでは現在進行中の研究や最新の知見に焦点をあてます。認知行動科学コースの各教員が専門とするテーマについて、教員の最新の論文を解説したり、巷で話題の研究について話したり、課題論文を読んでその詳細について議論したりします。研究の裏話に加え、各教員が、なぜそのテーマで研究しているのか、これから先どのような研究がアツいと思うかなどもお話します。
受講⽣の声
各教員の研究テーマについてだけでなく、各分野の基礎的な考え⽅や実際に研究を進める上で重要なポイントも教わった。例えば、四本先⽣による講義では原著論⽂の輪講がなされ、論⽂の読み⽅やfirst authorとなることの重要性を教わった。さらには、先⾏研究の問題点を把握し仮説と予測される結果を⽴てた上で実験を進めるという仮説検証研究の基礎的な流れについても学んだ。このような学びを学部後期の早い段階で得られたのは⼤きな経験となった。

スポーツ科学コース

新たに新設されるスポーツ科学コース(2021年度以降に⼊学する学生が進学可能)では、スポーツ科学コースの複数の教員のオムニバス形式で、スポーツ科学の複数の分野に触れてもらいます。

統合自然科学セミナー

竹下大介

准教授

Daisuke Takeshita

スポーツ科学の多様性を体験
教員3名がオムニバス形式でセミナーを担当し、受講生にスポーツ科学における複数の分野に触れてもらう予定です。内容は担当教員の研究分野で、各教員の指定論文・教科書を輪読し議論します。スポーツ科学は生物学、生理学、医学、心理学、物理学などを基礎とする複合領域で、数多くの分野に分かれています。このセミナーを通して自分の興味や適性について考えてもらい、また幅広い基礎知識と物事を多角的に考える力を身につけてください。