分子イメージング・ケミカルバイオロジー・生命分析化学

3. 分子イメージング・ケミカルバイオロジー・生命分析化学
佐藤 守俊 准教授 (統合生命科学コース・物質基礎科学コース)  研究室HP

佐藤研究室では「分子イメージング」を実現する新しい技術を開発しています.分子イメージングとは、細胞の中や体の中でうごめく生体分子の挙動を見えるようにする技術のことです.この技術の開発により、我々の生命に対する理解が、以前には考えられなかったスピードで進むようになってきました.特に蛍光を使ったイメージング技術は、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発見した下村脩博士のノーベル化学賞受賞により、その重要性が広く社会一般にも知られるようになりました.
佐藤研究室では、最先端の遺伝子技術を駆使して、クラゲの蛍光タンパク質やホタルの生物発光タンパク質の性質を劇的に変化させたり(たとえば、ものすごく明るくしたり、色を緑から赤に変化させたり)、細胞内でうごめくイオンや生体分子、あるいは生化学反応を捉えて蛍光や生物発光を発光する分子プローブを開発しています.
sato01


佐藤研究室が開発してきた分子プローブは、ホスファチジルイノシトールリン脂質類やジアシルグリセリールなどの生体脂質、第二次情報伝達物質として知られる一酸化窒素(NO)、環状核酸、イノシトールリン酸、活性酸素種などの生体小分子、種々のチロシンキナーゼやセリン・スレオニンキナーゼによるタンパク質のリン酸化など、いずれも生命機能と疾患の理解に極めて重要な細胞内の分子過程の細胞内動態をそれぞれ明らかにしてきました(上図).最近では、細胞のみならず、線虫などのモデル小動物やマウスの生体(in vivo)で生起する分子過程を可視化するための新しい分子プローブの開発研究も行っています(上図右).このように開発した新しい蛍光タンパク質や生物発光タンパク質および分子プローブを細胞や生体に導入し、様々な生体分子が細胞内や生体内ではたらいている現場をリアルタイムで可視化するのです.分子イメージングを実現する革新技術を開発し、これを駆使して、分子レベルで“生命”を直接可視化するのが佐藤研究室の研究です.
我々が研究している分子イメージングは,近年注目を集め,将来のさらなる発展が期待されている分野です.生命科学や化学,ナノテクノロジー,バイオテクノロジーのアイディアを駆使して生命を明らかにする,こんな新しい挑戦を佐藤研究室で始めてみませんか.